カニが大好きな皆さんへ、カニの正しい知識、
提供側の事情と本音、役立ち情報などをご紹介。

●松葉ガニはなぜ高価なの?

松葉ガニの漁期は11月初旬〜3月末、厳冬の日本海での漁はまさに命がけです。現在は漁業にも、さまざまな最新技術が導入されていますが、松葉ガニの養殖だけはまだ実現していません。全盛期と比べると漁獲高も減少しています。また、松葉ガニが大きく育つには十数年もかかります。
このように非生産的な食材でありながら、味は数あるカニの中でも「最も美味」。となれば、当然、商品価値が上がるのです。おいしいものを食べるには、ある程度は相応の代価が必要なのだろうと思います。

●松葉ガニと紅ガニ(べにがに)  
松葉ガニと形や色がよく似たものに紅ズワイガニ(紅ガニ)があります。ゆでると、松葉ガニは腹側が白いのですが、紅ガニは腹側も赤いのでわかります。松葉ガニと比べると味は少し淡泊ですが、同じように料理をして、とてもおいしいカニです。
紅ガニの漁期は9月〜6月と長く、冬期以外でも地元では新鮮な紅ガニが味わえます。
●カニの食べどきは一瞬です

松葉ガニは、どんな調理法でもおいしくいただけますが「食べどき」はほんの短時間、これを逃すと味が半減します。
カニの身は火が通りはじめるとふくらんできます。この身が一番ふくらんだところで食べるのが最高なのです。火が通り過ぎると身は一瞬でしぼみ、さらに経つともう台無し…。

鍋でも焼きでも蒸しでも
、カニに火を通し始めたら集中し、一瞬を見逃さないで。
余談ですが、ゆでガニは、カニ味噌のついた甲羅の中に足などの身を全部ほぐして入れ、上から三杯酢を適度にかけ、醤油を数滴たらし、味噌ごと混ぜて食べるのがおすすめ。
味噌がない場合も醤油数滴がポイントです。

●生ガニ? 冷凍ガニ?

「お宅のカニは生ですか?それとも冷凍ですか?」…電話でよくあるお問い合わせです。
まず刺身や鍋用には生のカニを仕入れます。酢ガニ用などには最初からゆでたものを仕入れます。これは水揚げ後、早く大量に加工した方が味を保てるからです。水槽で長く生かしておくと、かえって身がやせるのです。
冷凍についても立派な保存方法のひとつと考えています。カニ漁は天候に左右され、一日にして値段や量が大きく変動することがあります。比較的安いうちに冷凍加工して効果的に使うことは、価格・量ともに安定して提供するために最善の手段だと思います。香住では全国屈指の冷凍技術で、とれたてのうちに地物のカニを加工します。お客様にできるだけ良いもの・うまいものを食べていただくための努力をご理解いただければと思います。

●かにフォークなんていらない?

いつからでしょうか、カニの身を取り出すのにステンレス製の細長い「かにフォーク」を使うようになったのは…。
便利といえばそうですが、かにフォークを使って食べると、金気(かなけ)というか、独特の金属臭が口に残るようです。カニの身はカニのハサミの尖ったところを使うか、割り箸で十分取り出せるので、できればフォークを使わずに召し上がってみてください。きっとカニ本来の味を楽しんでいただけます。
また、カニには身の取りにくい部分もあり、もどかしいものですが、ちょっとコツを知れば足の先も胴体部分もすんなり出てきます。どうぞ遠慮なく宿の者に聞いてください。

●おみやげのカニを選ぶなら

冬の香住みやげは、やっぱり松葉ガニ。発砲スチロールの箱に氷を入れて持たせてくれますが荷物になるので宅急便を利用されると便利です。さて、おみやげにするなら「ゆでガニ」をおすすめします。生ガニは刺身にするにも、焼いたり鍋にするにも、まずカニを解体しなければなりません。が、これは素人には困難です。出刃包丁を持って悪戦苦闘し、あちこち触り放題、時間も経って味が落ちてしまいます。とくに刺身などは鮮度が命です。まだ鍋は無難かもしれませんが。

ゆでガニなら
調理バサミ片手に、すぐにでも食べることができ、おいしいカニををそのまま味わっていただけると思います。